クレーム対応が医院の未来を左右する
患者さんからのクレーム。
誰しも避けたいものですが、完全にゼロにすることはできません。
大切なのは、「どう防ぐか」ではなく、「どう対応するか」です。
クレーム対応の姿勢ひとつで、
患者さんの信頼が深まることもあれば、二度と来院されなくなることもあります。
クレームは「医院の弱点を教えてくれるサイン」
怒鳴り声や強い苦情だけでなく、
- 「受付が冷たかった」
- 「先生の説明が分かりにくい」
- 「待ち時間が長く感じた」
といった声も、すべて“クレーム予備軍”です。
表面化していないだけで、多くの患者さんが「言わずに離れていく」現実を、見逃さないようにしないといけません。
対応のまずさが火に油を注ぐことも
患者さんが不満を感じたとき、医院の対応が次のようであれば危険です。
- 「あのスタッフが悪かった」と責任をなすり合う
- 形だけの謝罪で、根本的な改善が見られない
- 誰も記録・共有せず、また同じことが起きる
こうした体制のままでは、たとえ“その場しのぎ”ができたとしても、
口コミや紹介、リピートに繋がることはありません。
医院として、どう対応すればいいのか?
1. 感情よりも“事実”と“背景”を冷静に把握
クレームには、必ず原因があります。
表に出ている感情だけに振り回されず、「何が起きたのか」「なぜ不満を感じたのか」を客観的に整理しましょう。
2. 共感の言葉を伝える
「ご不安にさせてしまい、申し訳ございませんでした」
「そのように感じさせてしまったこと、お詫びいたします」
患者さんが求めているのは、“自分の気持ちを理解してくれた”という安心感です。
3. 院内で必ず共有し、仕組みを見直す
誰が悪かったのか、ではなく
「どうすれば次に同じことが起きないか」にフォーカスし、改善策を検討します。
記録を残し、月例のミーティングなどでの共有がおすすめです。
4. 対応後、患者さんに「変わったこと」を伝える
「お声を受けて、受付の案内方法を見直しました」
「待ち時間のご案内を、初診時に徹底するよう改善しました」
このように伝えることで、患者さんは「意見を受け止めてくれた」と感じ、信頼に変わります。
クレームをチャンスに変える
クレーム対応の本質は、「患者さんを怒らせないようにする」ことではありません。
“不満の声”を、“信頼の種”に変える力を持つことです。
医院の体制・文化として、クレームに向き合い、改善できる組織へ。
それが、選ばれ続ける歯科医院になるための大きな一歩です。