年明けの報道から考える、銀歯治療と歯科医院経営の現状整理
2026年に入り、「銀歯 赤字 歯科医院」という言葉がニュースで取り上げられました。本コラムでは、その報道内容をもとに、歯科医院経営の視点から現状を整理します。
2026年1月、
Yahoo!ニュースで
「銀歯治療をするほど赤字になる歯科医院がある」
という内容の記事が配信されました。
ディー・プラス・エス株式会社では、
昨年末にも金銀パラジウム合金の価格上昇についてコラムを掲載しましたが、
年明けに改めて報道されたことで、
「現場で実際に起きていること」として目にされた先生も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、
報道内容をもとに、歯科医院経営の視点で“今どう整理して考えられるか”を、
情報共有という立場からまとめます。
報道で伝えられていた内容の要点
今回の記事では、主に次のような点が紹介されていました。
銀歯(保険診療で使われる金銀パラジウム合金)の材料価格が上昇していること
保険診療で支払われる材料費と、実際の材料コストとの差が広がっていること
ケースによっては、銀歯1本あたり数千円を医院側が負担している可能性があるという指摘
また、コスト増加を受けて、
歯科技工所に外注せず、院内で対応している歯科医院の事例も紹介されていました。
あくまで一部医院の例ではありますが、
「銀歯=利益が出にくくなっている」と感じている先生が増えている背景は、
こうした材料費の変動と無関係ではなさそうです。
問題は「金属価格」そのものより、タイミングのズレかもしれない
貴金属価格の高騰については、
国際情勢や為替、需要の増加など、さまざまな要因が指摘されています。
ただ、歯科医院の立場で見ると、
価格が上がったこと自体よりも、
診療報酬との間に時間差が生じやすい点が、
負担として感じられやすい部分なのかもしれません。
材料価格は日々変動しますが、
診療報酬は定期的な改定まで反映されません。
その結果、
「気づかないうちに、採算が合いにくくなっている診療がある」
という状況が生まれている可能性も考えられます。
代替材料の話題も増えているが、万能ではない
報道では、
CAD/CAM冠など、金属を使用しない治療についても触れられていました。
審美性や金属アレルギーの観点から選ばれるケースもありますが、
適応や耐久性など、患者さんの状態によって向き・不向きがあるのも事実です。
そのため、
「銀歯をやめれば解決」という単純な話ではなく、
医院としてどの選択肢を、どのように説明し、選んでいるか
という点が、今後より重要になるのかもしれません。
経営の視点で、今できそうな整理の一例
今回の報道を受けて、
すぐに何かを変えなければならない、という話ではありません。
ただ、次のような視点で
一度整理してみる価値はありそうです。
銀歯など、材料費の影響を受けやすい治療の原価感覚
技工費・材料費・診療時間を含めたおおまかな収支イメージ
患者説明の際に提示している治療選択肢の整理
「何が正しいか」ではなく、
「自院ではどうなっているか」を把握することが、
結果的に判断をしやすくする材料になります。
まとめ:ニュースを“判断材料の一つ”として受け取る
今回の年明け報道は、
銀歯治療や材料費について、
改めて考えるきっかけを与えてくれたニュースと言えそうです。
すべての歯科医院に当てはまる話ではありませんが、
「どこかで聞いた話」ではなく、
自院の状況と照らして考える材料として受け取ることで、
今後の経営判断に役立つ場面もあるかもしれません。
ディー・プラス・エス株式会社では、
制度や市場動向を断定的に語るのではなく、
先生方が考えるための“整理された情報”をお届けすることを大切にしています。
今後も、現場の声や報道をもとに、
歯科医院経営を考えるヒントを共有していければと思います。
この問題については、昨年末にも
「銀歯治療が“赤字”に──パラジウム高騰が歯科医院経営を直撃」
というコラムで整理しています。