面談で感じた、現場のリアルな悩み

先日の面談で伺ったお話が印象に残っています。
お子様がいるパートの歯科衛生士さんが、通園や育児のために勤務時間を短縮されたとのことでした。
その結果、朝の準備や診療前の段取りに負担がかかり、診療開始時間に間に合わないこともあるそうです。

また、お子様の急な体調不良による当日欠勤もあり、そのたびに医院全体が慌ただしくなる。
「仕方がないと分かってはいるけれど、何とかならないものか」――そんなスタッフの声を聞きました。


小規模歯科医院にこそ必要な工夫

小規模の歯科医院では、一人の勤務形態の変化が医院全体に影響します。
新しい人を雇うのは簡単ではありません。
だからこそ、今いるメンバーでどう工夫するかが重要になります。


まずは「朝の準備」を見直す

最初の一歩は、朝の準備内容を見直すことです。
毎日行っている準備をすべて書き出し、優先順位を明確にする
「診療前に必ず必要なこと」を正社員で割り振り、それ以外の作業は診療が始まってから行う。

このように役割を整理することで、負担の偏りを防げます。
作業を見える化することで、「本当に必要な準備」と「後回しでよい作業」が明確になります。


「急な休み」に備える体制づくり

急な休みは避けられません。
だからこそ、普段から柔軟な体制を整えることが大切です。

パートの歯科衛生士さんには患者さんの「担当制」を設けず、当日予約や急患対応を中心にお願いする。
一方で、正社員の衛生士は継続的な患者さんを担当する。
こうした役割分担を行うことで、急な欠勤時も診療を止めずに対応できます。


「仕方ない」で終わらせない医院運営へ

子育て世代のスタッフが働きやすい環境をつくることは、単なる優しさではありません。
それは、医院全体の安定と信頼の基盤づくりでもあります。

「仕方ない」で終わらせず、今ある状況の中で最善を探る姿勢。
その積み重ねが、チームの信頼を深め、医院の力を高めていくのだと感じました。