SNSを活用して集患やスタッフ採用を強化したいと考える歯科医院は増えています。歯科医院のホームページや、GoogleビジネスプロフィールにSNSのリンクが貼ってあるのをよく見かけます。顧問先の歯科医院でも、先生からSNSについての質問をよく受けます。
実際に、私たちが歯科医院に勤務していた時も、X(旧Twitter)・Instagram・LINE・Youtube・Facebookと全て登録をして投稿していました。医院のスタッフに同意を得て動画撮影にも協力してもらい、編集して投稿してインサイトを確認し、ブラッシュアップを繰り返していました。
やってみてわかったことは、患者さんも、求職者も、応募者もチェックしているということでした。見てくれていると思うと、嬉しくて頑張って投稿していました。
歯科医院は、特徴や、地域性、患者年齢層などが異なります。先生の歯科医院は、どのような患者さんがいらっしゃいますか?また、新患でターゲットとしている年齢層はありますか?SNSを始めたい目的はなんでしょうか。
SNSは、やみくもに始めるのではなく、事前の準備やルールの確認が大切です。今回は、歯科医院がSNS運用を始める前に確認しておきたい「7つのポイント」をご紹介します。また、既に始めている場合でも見直してみましょう。
1. まずは「ターゲット」と「目的」を明確にしましょう
SNSを運用する上で最も大切なのは、「誰に向けて」「何のために」発信するのかを明確にすることです。
例:
- ターゲット層:20〜40代の女性、子育て中の親など
- 目的:新患の獲得/既存患者との関係づくり/スタッフの採用
この2点を事前にしっかり定めておくことで、投稿内容やトーンに一貫性が生まれ、結果的にフォロワーの信頼感にもつながります。
2. SNSの特性を知って、プラットフォームを選ぶ
SNSにはさまざまな種類があります。それぞれの特徴を理解し、目的に合った媒体を選ぶことが大切です。
- Instagram:ビジュアル中心。院内の雰囲気や症例紹介に最適。
- LINE公式アカウント:予約情報やキャンペーンのお知らせに便利。
- YouTube:治療の流れや医院紹介など、詳しく伝えたい内容におすすめ。
中でもInstagramは歯科医院との相性が良く、多くの医院が導入しています。この媒体全てやるとなると大変な作業になり、雑になってしまったり、投稿できない状態になったりします。先ずは一つに絞って始めてみてはいかがでしょうか。
3. 投稿内容は「患者さん・求職者にとって有益か」を基準に
投稿するコンテンツは、見てくれる患者さんや求職者にとって価値があるかどうかが重要です。次のような内容が特におすすめです。
- 治療前後の写真:ビフォーアフターを紹介(※必ず患者さんの同意を得ましょう)医療広告ガイドラインにに注意して投稿してください。
- 口腔ケアのアドバイス:自宅でできる簡単な予防法など
- スタッフ紹介:親しみを感じてもらえるよう、スタッフの人柄が伝わる投稿を
不安の解消や信頼構築につながる内容が、来院のきっかけにもなります。
4. 投稿のタイミングと頻度も戦略的に
継続的な運用には、「いつ」「どのくらい」投稿するかも大切です。
- 頻度の目安:週2〜3回
- 投稿時間:ターゲットがスマホをよく見る時間帯(例:20〜22時)
予約投稿機能やInstagramの「インサイト」でデータを確認しながら、効率的な運用を目指しましょう。
5. ハッシュタグとジオタグでリーチを広げる
投稿がより多くの人に届くように、ハッシュタグやジオタグも積極的に使いましょう。
- ハッシュタグ例:#歯科医院 #口腔ケア #ホワイトニング #インプラント
- ジオタグ:医院の所在地を設定することで、地域の方に見つけてもらいやすくなります
タグを工夫するだけでも、閲覧数や反応が大きく変わります。トレンドもチェックしましょう。
6. 医療広告ガイドラインを必ず守りましょう
SNSも「広告」として見なされる場合があり、医療広告ガイドラインの遵守が求められます。
- NG表現例:「絶対に治る」「100%安全」などの誇大表現
- 患者さんのプライバシー保護:写真を投稿する際は、本人の同意を得ること。口元だけであっても慎重に扱いましょう
安全で信頼される情報発信のために、最低限のルールは必ず押さえておきましょう。
7. インサイト機能で効果をチェック&改善
Instagramのビジネスアカウントでは、投稿の反応やフォロワー情報が見られる「インサイト」機能が使えます。
- フォロワーの属性:年齢層、性別、地域など
- 投稿ごとのパフォーマンス:いいね数、保存数、リーチ数など
これらの数値を元に、どんな投稿が響いているかを分析し、次の戦略に活かしましょう。
しっかり準備して、SNS運用を成功に導こう
SNSは無料で始められる強力なツールですが、戦略的に活用しないと成果につながりません。今回ご紹介した7つのポイントを踏まえて、自院に合った発信方法を見つけてみてください。また、SNSを始めたら、患者さんにフォローしてもらいましょう。そのSNSのQRコードを待合室に掲示して見てもらうきっかけを作ってください。
◉「誰に何を伝えたいか」を忘れず、患者さんや地域の方々との信頼関係を築く場として、SNSをぜひ上手に活用していきましょう。