歯科衛生士国家試験は毎年3月に実施され、合格率は例年90%を超えています。
多くの医院では「春の入職」に向けて採用活動を進めていますが、実際には学生の就職活動は夏から秋にかけて本格化しています。
本記事では、国家試験の最新データとともに、採用スケジュールの実際や今の時期にできる準備についてです。

歯科衛生士国家試験とは

毎年3月初旬、全国で「歯科衛生士国家試験」が実施されます。
この試験は、歯科衛生士として働くために必要な国家資格を得るためのもので、2026年の試験日は3月1日(日)に予定されています。

受験には、指定の学校や大学で所定のカリキュラムを修了し、卒業見込みであることが条件です。
試験会場は全国10都道府県に設置され、大学などの教育機関で行われます。


合格率は毎年90%以上 ― 安定した水準

歯科衛生士国家試験の合格基準は「全体の6割以上の正答」。
幅広い分野から出題されるため基礎力と応用力の両方が求められますが、養成課程の教育水準が高いため、合格率は非常に安定しています。

実際に、2025年の試験では8,026人が受験し、7,300人が合格。合格率は91.0%でした。
毎年6,000〜7,000人ほどの新しい歯科衛生士が社会に送り出されています。


採用活動は早い学生で夏にスタート

歯科衛生士学校では、早い学生は8月頃から就職活動をスタートします。
秋に入ると実習を終え、医院見学や面接が本格化。
この時期は、大手求人サイトや専門学校が主催する「歯科衛生士就職フェア」「合同説明会」などが各地で開催される季節でもあります。

10月〜11月は、学生と医院が直接出会う機会が増える時期。
医院にとっては、求人情報を整え、学生に医院の魅力を伝える絶好のチャンスです。
この時期の動きが、翌年4月の入職者確保に大きく影響します。


2月から3月は“駆け込み応募”が増える時期

国家試験直前の2月〜3月は、「まだ就職先が決まっていない学生」や「内定を辞退した学生」が新たに動き出すタイミングです。
このため、2月、3月は“駆け込み応募”が増える時期でもあります。

入職時期は4月が一般的
この時期に採用できた場合でも、すぐに受け入れができるよう、教育体制の準備を年内から整えておくことがポイントです。


採用と育成を並行して考える

新卒歯科衛生士の採用では、「採用活動の時期」だけでなく「入職後の環境づくり」も成功の鍵です。

  • 夏〜秋にかけて求人内容や教育体制を見直す
  • 学生見学・面接の受け入れ体制を整備する
  • 新人教育フローや指導担当者を決めておく

こうした準備を早めに進めることで、学生にとって魅力的な医院として印象づけることができます。
“どんな医院に入るか”だけでなく、“どんな環境で成長できるか”が選ばれています。


まとめ

  • 歯科衛生士国家試験は毎年3月初旬に実施(2026年は3月1日)
  • 合格率は毎年90%以上(2025年は91.0%)
  • 採用活動の中心は8月〜秋
  • 秋は就職フェアが活発なシーズン
  • 3月は駆け込み応募が増える傾向
  • 採用と育成の準備は年内スタートが理想

春は新たな出会いの季節。
未来の歯科衛生士とともに、医院の次のステージを築く準備を進めてみてはいかがでしょうか。