歯科医院でSNS運用を始めたものの、最初は投稿が続かず放置されてしまうケースは少なくありません。
今回ご紹介するのは、放置状態のアカウントをスタッフの力で復活させ、歯科医院のSNS運用が「集患ツール」だけでなく「スタッフの成長の場」にもなった実例です。
放置されていたSNSアカウント
ある歯科医院で、院長先生が「マーケティングの一環としてSNSをやろう」と思い立ち、アカウントを開設しました。
しかし、最初の意気込みとは裏腹に、投稿は続かず…。結局そのまま数年が経ち、放置状態のままSNSは検索結果に出てくる、そんな状況になっていました。
「削除するのもどうかと思って、そのままにしているんです」と院長先生。
ですが、せっかくアカウントがあるのに運用しないのは非常にもったいない。採用や集患の力になる可能性があるのだから、再び活用していきましょうと提案しました。
運用の課題は「誰がやるか」
ところが課題は「誰がやるか」。
院長先生も時間がないし、投稿を続ける余裕はない…。そこで私はスタッフ面談の場で、一人ひとりにSNSについて話をしてみました。
すると、若いスタッフ2名が「やってみたい」と手を挙げてくれたのです。
驚いたことに、一人は画像編集の勉強をした経験があり、実際にアプリを使ってセンス良く仕上げてくれました。もう一人はリール動画作成が得意で、自分のアカウントでも日常的に発信しているとのこと。
SNS担当としての挑戦
院長先生と相談し、この二人にSNS担当をお願いすることにしました。もちろん快く承諾してくれて、運用ルールや投稿頻度、ネタ出し、キャプション作成についてミーティングを実施。
二人は「この投稿を見て患者さんが来てくれたら嬉しい」「もっと患者さんを増やしたい」と意欲的に語ってくれました。
患者さんへの広め方
さらに工夫として、QRコードをユニットごとに貼り、「ぜひフォローしてください」とコメントを添えて患者さんに案内しているそうです。時には口頭でも声をかけてフォローにつなげているとのこと。
この前向きさには、私も思わず驚かされました。
スタッフの成長と医院の一体感
面談前には悩みを抱え、気持ちが沈んでいた二人が、自ら役割を持ち、医院のために動こうとしている――その成長を見ることができて、本当に嬉しく思いました。
院長先生も「これなら安心」と笑顔を見せてくださり、医院全体に前向きな空気が広がっています。
次回の面談で、さらにどんな変化が見られるのか。とても楽しみです。