〜電車広告・電柱広告からスマホ検索の時代へ〜

「電車広告も出した、電柱広告も出した。それでも新患が来ない。」「色々やったけど来ないんだよ。」ある先生がおっしゃった言葉です。

広告費をかけても成果が出なければ、「もう何をやっても来ない」と思ってしまうのも無理はありません。ですが、その背景には“患者さんの行動の変化”があります。

■ 電車広告は今どう見られているか

昔は中吊り広告や車内ポスターが目に入りやすく、通勤時間の情報源にもなっていました。
しかし現在、電車内の光景を見てみると、乗客のほとんどはスマホを見ています。窓の外を眺めている人は、全体の1割いるかどうか。広告スペース自体も減少し、代わりにドア上のモニターにニュースや天気と一緒に数社の広告が流れる形になりました。
つまり、以前の電車広告が“じっくり目に入る機会”は確実に減っています。

■ 電柱広告の限界

一方で、街中の電柱広告には、主に医院名や住所、電話番号や矢印で医院の方向などが掲載されています。
初診で医院に向かっている人に、方向を示す役割になるので助かる反面、歯科医院の広告としてはどうでしょうか。医院名だけでは「どんな医院なのか」「どんな治療が受けられるのか」は何も伝わりません。
気になった人がいたとしても、次にとる行動は「検索」です。最近は電信柱広告にQRコードも掲載されてた一工夫も見られますが、ホームページがなければ、そのQRコードも掲載できないし、検索結果に出てきません。出てきても情報が乏しければ、そこで検討は止まってしまいます。

■ 今の患者さんの行動パターン

昔のように「誰かに聞いて評判を確かめる」というよりも、今はスマホで調べてその場で比較・判断する時代です。
「名前を覚えて、誰かに聞いて、詳しく調べる」という手間をかけてくれる患者さんは、ほとんどいません。広告は“気づきのきっかけ”にはなりますが、その先に“検索から来院につながる導線”が整っていなければ、集患にはつながらないのです。

■ 広告は「入口」から「導線設計」へ

電車広告も電柱広告も、地域性や認知度を高める意味では価値があります。
しかし、それだけに頼るのではなく、時代に合わせた、その先の「検索されて見つかる仕組み」を整えることが不可欠です。ホームページやGoogleビジネスプロフィールを整備し、広告で興味を持った方が、簡単に歯科医院の情報にたどり着けるようにする。
これが、広告費を無駄にしないための第一歩だと思います。

■ まとめ

広告の役割は「きっかけ」であって、最終的に患者さんが来院するかどうかは“導線設計”にかかっています。
電車広告や電柱広告が時代遅れになったのではなく、「そこからどうつなげるか」が問われる時代になっていると思います。