院長先生、スタッフのネームプレート、つけていますか?
日々の診療やスタッフマネジメントで、つい見落としがちなこの小さなプレートが、実は医院の雰囲気や患者さんとの関係、そしてスタッフの意識にまで影響を与えているとしたら…。
今回は、ある顧問先でのエピソードを通して、ネームプレートが持つ“意外なチカラ”についてお話しします。


衛生士さんのつぶやきから始まった、ある気づき

「患者さんに“あなたは助手さん?”と聞かれたことがあって…」
顧問先の歯科衛生士さんが、ふとそんな話をしてくださいました。
ユニフォームはネイビーで、襟元が少し違う程度。衛生士と助手の違いはパッと見ただけではわかりづらいとのこと。
以前勤めていたクリニックではネームプレートをつけていたそうですが、今の医院ではつけていないので、患者さんから質問されることもあるそうです。

目立たないけど、意外と大事な「役割の可視化」

確かにネームプレートは、診療に直接関係のある“必需品”ではありません。
でも、それをつけることで――
・自分の役割を再認識できる
・患者さんに安心感を与えられる
・スタッフのモチベーション向上にもつながる
こうした“目に見えない効果”があるのです。

ある意味、ネームプレートは「私はこの歯科医院でこういう立場で働いています」と、自分を律する名札とも言えます。患者さんから見ても、いちいち聞かなくても立ち位置がわかり、安心材料になります。

一方で気になる懸念点も

もちろん、ネームプレートに関する懸念もあります。
最近は個人情報への配慮が求められる時代。フルネームを記載すると、SNSで名前を検索され、DMが送られてくるような迷惑行為に繋がったケースも実際に耳にします。

そのため、顧問先の医院では、「職名+苗字のみ」の記載にしました。
とてもシンプルなデザインではありますが、ネームプレートを付けるだけでも身が引き締まる思いだと話てました。

歯科医師の視点から見ると…

非常勤の歯科医師に聞いたところ、「治療を行う立場上、ネームプレートの有無はあまり気にならない」とのこと。
たしかに、医師は“白衣”と“治療”という明確な役割を持っています。
ただ一方で、女性の歯科医師が「歯科衛生士さんですか?」と間違われた経験があり、少しショックを受けた…という話もありました。

やはり視覚的に「誰が何をしている人なのか」がわかるのは、患者さんの安心感にもつながるのだと再確認しました。


たかがネームプレート、されどネームプレート。
スタッフの人数が少ないから必要ない、という話ではありません。
それぞれが自分の役割を意識し、責任をもって行動するための「小さな背中の後押し」になるのが、このネームプレートです。

院長先生、もし今ネームプレートを導入していないのであれば、一度前向きに検討してみませんか?
患者さんの安心感、スタッフの誇り、医院の一体感。小さなプレートが生み出す変化は、きっと想像以上かもしれません。