※この記事は、実際にご相談を受けた小規模歯科医院での事例をもとに、医院名を伏せてご紹介しています。


全員出勤しない職場の落とし穴

小規模な歯科医院では、正社員・パートスタッフ・非常勤の歯科医師など、勤務形態が多様です。そのため「全員が同じ日に出勤する」ということがなく、日々の情報共有に悩む医院は少なくありません。

ある歯科医院では、院長先生がスタッフ宛てにノートへ指示を書き、スタッフが確認後サインをするという方法をとっていました。しかしこの方法では、「書いたつもりが書いていない」「読んだと思ったら読まれていなかった」など、伝達ミスが頻発。実際に、院長先生自身も「ちゃんと伝わっていないことが多くて困っている」とお悩みでした。

さらに、ノートに書かれたスタッフ間のやり取りの中に、感情的な表現や主観が入ってしまったことで、読んだスタッフが気持ちを落としてしまうというトラブルも発生。業務連絡はあくまで「事実」と「タスク」に基づいて明文化することが大切です。

例えば、以下のような書き方が理想です。


【指示内容の例】
●担当:受付 山田さん
●内容:5月分の予約台帳チェックと入力
●期限:5/25(金)午前12時まで
●コメント:入力が完了したら、報告をお願いします。


紙からアプリへ、現代の共有スタイル

感情や憶測を含まず、明確に伝えることで、誰が見ても同じ理解が得られるようになります。

この医院ではすでに連絡用アプリを導入していたため、アプリ内の「タスク機能」を活用し、ノートでの指示出しは廃止することになりました。Z世代のスタッフがいる今、紙よりもアプリでの情報管理が適しているという判断です。

一方で院長先生は、「スタッフの休日にも通知が届くのは避けたい」と懸念されていました。そこで、「連絡確認は原則診療時間内」というルールを設けることで、スタッフのプライベートへの配慮と情報伝達の効率化を両立することができました。


まとめ:

  • 情報共有は「誰が見ても同じ理解」ができる明文化が基本
  • ノートよりもタスク機能付きの連絡ツールが有効
  • 確認のタイミングは「診療時間内」に限定するなど、ルール整備が大切

小さな医院だからこそ、情報共有とタスク管理の仕組み化がスタッフの働きやすさにつながります。一つひとつ見直すことで、より円滑なチーム運営が実現できます。


※本記事は、実際に相談を受けた小規模歯科医院の事例を、医院名などを伏せた上でご紹介しています。