人手不足の焦りが、採ってはいけない人を引き寄せる。

〜採用が難しい今だからこそ、見極めたい“短期離職者”のリスク〜

「今度こそ長く働きたいと思っています」「今回は頑張ります」
面接でこうした言葉を耳にすると、つい期待してしまいますよね。

人手が足りない状況では、応募者が前向きな言葉をかけてくれるだけで、気持ちがグラついてしまうこともあるかもしれません。
でも実は、この“前向きな一言”が、採用後のトラブルにつながることがあるのです。

この記事では、「短期離職を繰り返してきた人」を採用してはいけない理由と、その判断基準についてお伝えしていきます。

👉 第一弾のコラムはこちら:
採用難でも妥協した人選はリスクになる


◆ 採用を避けたい“短期離職の傾向”

応募者の職歴をチェックするとき、特に注目したいのが転職の回数と勤続年数です。

  • 2年未満の転職を3回以上繰り返している

このような場合、かなりの確率で“短期離職のクセ”があると考えられます。
短期退職を過去3回以上となると定着は難しいかもしれません。


◆ 短期離職者によくある特徴とは?

これまでの採用支援の中で、短期離職を繰り返している人には、ある共通点が見えてきました。

  1. 飽きっぽい
  2. 我慢が苦手で逃げやすい
  3. うまくいかないことを人や環境のせいにしやすい

たとえば、業務でミスをしても「教えてくれなかった」「医院の体制が悪かった」といったように、自分以外に原因を求めてしまう方が少なくありません。

こうした姿勢は、“仕事に対する責任感の弱さ”にもつながっていきます。
ちょっとした壁にぶつかったときに「やっぱり無理かも…」と、早々に辞めてしまうケースが多いのも、このようなタイプに多いように感じます。


◆ 経験よりも“続けられる力”が大切

「経験豊富だからすぐに戦力になりそう」
「他の医院でも働いてきたなら安心かな」

そんなふうに思ってしまうこともありますよね。
でも実際には、どれだけスキルがあっても、“続けられる力”がなければ意味がありません。

スキルだけに注目して採用してしまうと、数ヶ月後にはまた求人を出さなくてはいけなくなったり、スタッフの信頼関係が崩れてしまったり…。
医院にとって大きな損失になることもあります。


◆ 「今度こそ頑張ります」を信じすぎないこと

短期離職歴にふれると、ほとんどの応募者がこう言います。

「今度こそ、長く勤めたいと思っています!」
「ここで頑張りたいです!」

その気持ちはありがたいのですが、これまで何人もの応募者と接してきた中で、こうした言葉を信じて採用した方が実際に長続きした例は、残念ながらほとんどありません。

意気込みはもちろん大事。でも、判断材料としては過去の実績のほうがずっと確かです。


◆ 急いで採用すると、もっと大変になる

人手が足りないと、「とにかく来てくれるなら…」と採用を急ぎたくなる気持ちもわかります。
でも、そこで妥協してしまうと、またすぐに辞められて再募集…。
時間もお金も無駄になってしまうことになります。


◆ 採用しない決断も、医院を守る選択肢のひとつ

「いい人が来ないから…」と、採用のハードルを下げたくなることもあるかもしれません。
でも、“採用しない”という選択が、医院を守るための最善策になることもあるのです。

長く安心して働いてくれる人を見つけるためには、履歴書の中にある小さなサインを見逃さないことが大切です。


◆ 判断基準は「言葉」より「行動履歴」

短期離職を繰り返してきた応募者には、一定の傾向があります。
もちろん例外もありますが、高い確率で同じパターンを繰り返してしまうことも事実です。

これからの採用では、「スキル」や「やる気の言葉」だけで判断せず、過去の行動履歴から見えてくる“本当の姿”を大切にしていきたいですね。


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