最近、ある歯科医院が巻き込まれたGoogle口コミのトラブルに関する記事を目にしました。そこには、非常に悪質な口コミが投稿されていたのです。

「抜かなくていい歯までインプラントを勧められる始末!」「お金のために歯を抜いてインプラント。典型的なお金儲け歯医者。」これは一部の投稿内容です。見る人によっては、歯科医院に対する強い不信感を抱くような表現ばかり。投稿者は患者を装っていたようですが、実際にはその歯科医院と同じ業界の人物、つまり「同業者」でした。

医院側の先生はGoogleに通報・削除依頼を出したものの、残念ながら口コミは削除されませんでした。そこで先生は投稿者の情報開示請求に踏み切ります。時間も費用もかかる大変な手続きの末、投稿者が判明。驚くべきことに、その人物はやはり同業の歯科医師だったのです。

Googleの口コミシステムは基本的に誰でも書き込める自由度がありますが、その反面、悪意ある投稿や事実無根の中傷も容易にできてしまう現状があります。

とはいえ、最近のGoogleではいくつかの対策も取られ始めています:

  • 同一人物が複数アカウントを作っても、位置情報や行動履歴などで実際にその場所に行ったかどうかをAIが判定
  • 過去の投稿履歴やパターンを解析し、不自然なアカウントは目立ちやすくなる
  • 特にサクラ(やらせ)レビューについては、以下のような「特徴的な法則性」があります

❶ 近隣の歯科医院に比べて口コミ件数が異常に多い
❷ 高評価と低評価が極端に分かれている
❸ 同一日時に投稿が集中している
❹ 特定の店舗にしか投稿していない
❺ 投稿内容に不自然な宣伝文句が含まれている

❻他店での口コミ実績がない“初投稿ユーザー”ばかりによる高評価の集中

このようなパターンが見られる場合、代行業者によるやらせや、報酬を渡して口コミを獲得する行為の可能性が高いです。

例えば、美容室や飲食店で、1ヶ月の間に同じユーザーが何度も口コミを投稿している場合、普通の感覚では「そんなに頻繁に行く?」と疑問が湧きますよね。こうした不自然な動きはサクラ特有の動きであり、見分けるヒントにもなります。

そもそも、Googleはユーザーが自発的に投稿した口コミを「望ましいコンテンツ」として評価しています。一方で、何らかの報酬や謝礼と引き換えに、店舗側が依頼した口コミは「作為的なコンテンツ」と見なされます。
こうした報酬付きの口コミ投稿依頼は、Googleのガイドライン・ポリシーに明確に違反しており、アカウント停止や評価除外といった大きなリスクを伴うため、絶対に避けるべきです。

今やGoogle口コミは医院やお店の信用を左右する時代。信頼を守るためにも、不自然な口コミには敏感になり、必要であれば法的措置も視野に入れることを考えなくてはいけません。

今後もGoogleの対策は強化されていくと思います。まずは「見抜く目」を養い、そして正しい情報発信を続けていくことが私たちの防衛手段かもしれません。