たった1週間で退職したスタッフの本音ってなんだと思います?

新しく入職した歯科助手や歯科衛生士のスタッフは、期待と不安を抱えながら新しい環境へ飛び込んできます。仕事を早く覚えたいという前向きな気持ちがある一方で、人間関係や職場のルールに馴染めるかどうか、不安を感じるのも当然なんですよね。

私が訪問し始めた歯科医院でも、ちょうど入職したばかりのスタッフがいました。

初めて会った時、彼女は明るく、笑顔で挨拶をしてくれました。以前は薬局の事務として働いていたそうで、歯科助手の仕事は初めてとのこと。

ところが、2週間後に再訪すると、彼女の姿はありませんでした。

驚いて尋ねると、入職からわずか1週間で退職してしまったというのです。

「グローブで手が荒れる」というのが、院長先生に話した退職理由だそうですが、実際には他にも理由があったようです。

入職してとても頑張っていたのに、4日目辺りから様子がおかしくなってきて元気もなかった。1週間経って突然「辞めたい」と言ってきて驚いたと先生が残念そうに話してくれました。

「休めない」「有給がない」… これが、本当の退職理由

他のスタッフに話を聞いてみると、求人票に記載されていた内容と実際の職場環境が違っていたことが大きな要因だったようです。

それは、「休めない」「有給がない」という点が決定的だったとか。

新しいスタッフに対して、既存のスタッフが「ここは休めないよ」と話してしまえば、不安を抱くのは当然です。

実は、既存のスタッフが人がいないから有給は取得できないこと、休みがとりずらい事などを話していました。

入職前に期待していた条件と現実に大きなギャップがあれば、「ここで働き続けるのは難しい」と感じてしまって当然だと思いませんか。

求人票の内容、最新のものになっていますか?

求職者は、求人票を見て自分に合った職場を探し、働くイメージを膨らませます。だからこそ、求人票に記載する情報は最新のものにし、変更があればすぐに修正・更新することが大切です。

また、出している求人票の内容にバラつきがあると、求職者は「どれが本当なの?」と不信感を抱いてしまいます。すべての求人票を統一し、記載内容に相違がないようにすることが重要です。

写真も最新のものに! スタッフの入れ替わりを考慮する

求人ページや求人票に掲載する写真も、最新のものを使用することが大切です。すでに退職したスタッフが写っている写真をそのまま使っていると、入職後に「話が違う」と感じさせてしまう原因になります。

特に小規模な歯科医院では、スタッフ同士の距離が近い分、実際の雰囲気と求人票の内容が違うとギャップを強く感じてしまいます。「思っていた職場と違う」と思われないように、情報は常に正確なものを発信しましょう。

「こんなはずじゃなかった」を防ぐために

新しいスタッフが安心して長く働ける職場づくりのためには、以下の点を見直してみてください。

求人票の内容を最新のものに更新するすべての求人票の記載内容を統一する職場環境や条件について正直に伝えるスタッフの写真も最新のものにする既存のスタッフが新入職者に前向きな環境を作る

せっかく良いご縁があって採用したスタッフが、すぐに辞めてしまうのはとても残念なことです。

「長く働きたい」と思ってもらえる職場環境を整えることが、結果的に医院の成長にもつながります。

求人票の見直しを通じて、安心して働ける職場づくりが必要ではないでしょうか。