働き方改革と患者ニーズの新しいバランス
歯科医院の診療時間が変化しています。特に、朝9時開始・17時終了といった“朝型の働き方”へ移行する医院が増加しています。本記事では、その背景と実際の医院で起きている変化をわかりやすく解説します。
ここ数年、私たちの生活はコロナ禍をきっかけに大きく変化しました。
その中でも、歯科医院にとって特に影響が大きかったのが「診療時間」の見直しです。
かつては“夜遅くまで診療”が主流でした
20年ほど前、歯科医院の診療時間は今とは大きく異なっていました。
平日は21時まで開院している医院も多く、
「仕事終わりの患者さんを取りこぼさないように」という理由から、
遅い時間まで診療することが半ば常識のようになっていました。
ところが現在、同じ診療スタイルを続けている医院はごく少数派です。
19時、18時終了が一般的となり、さらに最近では
“17時で診療終了”という医院も増えています。
診療時間が短くなった最大の理由は“採用”
「患者さんのために遅い時間まで診療したい」という思いは
今も多くの院長先生がお持ちです。
しかし、実際にハードルとなるのは スタッフ採用。
19時以降の勤務を条件に求人を出しても、応募数は驚くほど少なく、
「遅くまで働く医院は避けたい」という傾向になってきました。
コロナ禍で飲食店や小売店が営業時間を短縮した時期、
歯科医院もそれに合わせて“早く終わる働き方”が定着しました。
一度その働き方に慣れたスタッフにとって、
以前のように遅い時間まで働くことは現実的ではありません。
では、患者さんは不便になったのか?
ここが興味深いポイントです。
「夕方以降に予約が集中する」という従来のイメージとは異なり、
実際には 早い時間帯の予約ニーズは十分にある ことがわかっています。
背景にはいくつか理由があります。
- 高齢者層が増え、午前中の受診ニーズが高い
- 在宅勤務が普及し、平日日中の来院がしやすくなった
- そもそも17〜18時は“思ったほど予約が埋まらない”医院が多い
つまり、「診療時間=患者さんの都合」というこれまでの常識が、
変わりつつあるのです。
朝9時開始・17時終了という働き方
最近のトレンドとして増えているのが、
9時スタート/17時終了 という診療スタイル。
患者さんにとっても、スタッフにとっても、次のメリットがあります。
- スタッフが働きやすく、離職率が下がる
- 採用の間口が広がるため、応募が増える
- 朝の予約枠が埋まりやすい
- 18~19時の“空き”が減り、全体の効率が良くなる
「患者さんが不便になるのでは?」と不安に思われる院長先生もいらっしゃいますが、
実際に時間変更をした医院では、
予約が埋まりやすくなった という声も聞かれます。
これからの歯科医院経営で重要なのは、
“昔の常識”ではなく 今の働き方・ニーズに合わせた診療時間設計。
- 長く開けるより、効率よく開ける
- 夜型より、朝型
- スタッフの働きやすさを重視しながら、患者さんの利便性も確保する
このバランスが、これからの医院運営において欠かせない視点になりそうです。