歯科医院 求人媒体 の選び方で応募者のタイプは大きく変わります。
求人代行として多くの歯科医院の採用を支援する中で、「媒体ごとに集まる人がまったく違う」という事実が見えてきました。本記事では、最近の応募者傾向やハローワークを含む各媒体の特徴を、現場目線で解説します。
歯科医院の採用支援をしていると、改めて強く感じることがあります。
それは 「求人媒体ごとに、集まってくる求職者のタイプが全く違う」という事実 です。
どの媒体にもメリット・デメリットがあり、そして“その界隈の空気”のようなものが存在します。「この媒体なら安心」などとイメージがあっても、実際にやり取りすると「え?」と驚くような応募者が来ることも珍しくありません。
こうした特徴を理解しないまま求人を出すと、
「なぜこの媒体は変な応募ばかり来るの?」
「せっかく紹介料を払ったのに、すぐ辞めてしまった…」
という事態に陥りやすくなります。
本稿では、歯科医院の求人代行を行う中で見えてきた“求人媒体のリアル”をお伝えします。
■ 求人媒体は「種類が多い」だけではない:求職者層の違いが大きい
WEB上には、以下のようなさまざまな求人サービスが存在します。
- エージェント型:担当者が間に入り、医院と求職者を仲介
- サイト型:医院が求人票を掲載し、求職者と直接メッセージでやり取り
- スカウト型:求職者に医院側がアプローチできるシステム
- 無料掲載型:無料だが上位表示には課金が必要
- 完全成果報酬型:採用した場合に紹介料が発生
ただし、どのサービスにも必ず「この先は有料」という線引きが設けられています。そして、紹介料を支払って採用したのに“数ヶ月で退職”…というケースも少なくありません。
■ それでも外せない媒体がある——ハローワーク
結論から言うと、歯科医院の求人で ハローワークの登録は外せません。
● なぜか?
- 完全無料で掲載できる
- 幅広い年齢層が閲覧する
- ハローワーク掲載情報を“自動で拾って転載するサイト”も多い
→ 1回の登録で複数媒体に広がる効果がある
かつては「質が悪い」「失業保険目的の応募が多い」という印象が強くありました。
失業保険の受給要件として“求職活動実績(面接)”が必要だったため、働く意思が薄い応募も確かに見受けられました。
しかし 近年、その傾向は明らかに減っています。
(クレーム等を受けて変わったのかもしれません)
■ 実際に増えている応募者像:若年層の“メンタル不調退職”が目立つ
20代後半〜60代まで幅広い層から応募がありますが、ここ最近、面接をしていて増えているなと感じることがあります。
「新卒で入社 → 数年頑張る → 体調悪化で退職 → 失業保険 → 求職活動」
という流れの若い求職者です。
面接時にこちらから健康状態を深掘りしてはいけないため、求職者が自ら話せるように質問を工夫するのですが、
ほとんどの場合、退職理由は メンタル不調(心的負荷) によるものです。
失業保険を受給している流れでハローワーク経由で応募をしてくる流れが多いように感じています。
心身を崩した方の中には面接中に涙してしまう方もいます。
どれだけ良い人でも、その時点で採用は難しくなってしまいます。
ただ、これは若者に限った話ではなく、全体的にメンタル不調の増加を実感しています。
厚生労働省の調査でも、
- メンタル不調で1ヶ月以上休職・退職した労働者がいた事業所:13.5%
- そのうち「メンタル不調で退職者がいた事業所」:6.4%
と報告されており、これは年々増加傾向にあります。
■ もちろん「問題を抱えていない人」もいます
全員がメンタル不調というわけではありません。
以下のような応募者も多くいます。
- 出産・育児による退職から復帰したい
- 前職場の人間関係が合わず退職
- 子育てが落ち着いてきたのでパートで働きたい
- たまたまハローワークで目に留まったので応募した
ハローワークは“広く一般の求職者が見る場所”であり、決してネガティブな人材ばかりではありません。色々な方々が応募してきますので、面接時にしっかり見極めることだと感じています。
■ 結論:歯科医院の求人は「ハローワーク登録をしない理由がない」
- 完全無料で掲載できる
- 幅広い年齢・属性の応募がある
- 他媒体への自動転載で露出が増える
- メンタル不調の求職者が増えている実情も把握できる
→ 「まずハローワーク」は鉄則です。
求人代行として多くの現場を見てきた経験から言うと、
ハローワークを使わない歯科医院は、それだけで応募の“母数”を大きく失ってしまいますので、是非、登録をしていただくといいと思います。