スタッフの人生が動き出すとき、院長が一番しんどくなる理由
これはどんな医院向けの話か
このコラムは、
- 歯科衛生士が複数名在籍している
- 採用して3年前後のスタッフがいる
- 「最近、妙に気を遣って疲れている」と感じている
そんな歯科医院を前提にしています。
すべての医院に当てはまる話ではありません。
「おめでとう」と言いながら、正直、複雑な心境
結婚の報告を受けたとき、
院長先生はたいていこう仰ると思います。
「それはよかったね」「おめでとう」
ただ、その後に続くのは
- いつまで今の働き方ができるだろう
- 辞められたら正直困る
- 次の人材がすぐ見つかるとは限らない
この複雑な心境を口には出せません。
最近、顧問先の先生からの相談で、
「勤務しているスタッフがちょうどライフステージに一番変化が起きやすい時期なんだよね。それぞれ適齢期ってのがあるでしょ。ちょうど、皆それぐらいで、年始にいきなり結婚の報告を受けたばかりでさ…まぁ仕方がないんだけど困ったな…」
この話をきっかけに、他のスタッフの状況を考えると、いつどうなるかわからないと不安そうに話していました。
スタッフのライフステージの変化は、連続してやってくる
現場を見ていると、変化は一度きりではありません。
- 勤務3年目
「矯正をもっと学びたい」 - 「審美歯科にも興味が出てきました」
- 結婚から数年後
「妊活を考えています」 - 子どもが3歳
「二人目を考えています」
このような流れは自然ですし、仕方のないことなのですが
ただ、院長先生側から見ると、
「一つひとつに対応してきた結果、気づけば常に緊張している」
という状態になりがちになっていたりもします。
気を遣いすぎる医院ほど、院長先生が消耗します
スタッフ想いの院長ほど、こんな行動を取りがちでした。
- 本音を言わず、先回りして配慮する
- 期待していることを曖昧にする
- 「辞められたら困る」気持ちを隠す
結果として、
- スタッフは「何を求められているのか分からない」
- 院長は「どこまで許容すべきか分からない」
という、小さなズレが生まれてきます。
うまくいっている医院は、冷たいわけではありません
一方で、比較的安定している医院を見ると、
少し違うスタンスを取っています。
- できること・できないことをはっきり伝える
- 医院としての限界も共有する
- 「今は応えられない」という判断を先延ばしにしない
これは突き放しているのではなく、
関係性を現実的に保つ工夫です。
ここで注意したいこと
ただし、
- すべてを割り切ればいい
- ドライになればいい
という話ではありません。
医院の規模、地域、人員体制によっては、
柔軟に対応した方が良い時期もあります。
大切なのは、
「気を遣っている自分」に気づかないまま続けないことです。
判断に迷いやすいポイント
もし今、次のような状態なら、
院長の負荷がかなり高くなっているサインかもしれません。
- スタッフの将来を考えると不安になる
- 本当は困るのに「大丈夫」と言ってしまう
- 自分だけが我慢している感覚がある
この状態が長く続くと、
人の問題ではなく、院長先生自身が疲弊します。
まとめとして
スタッフのライフステージが変わること自体は、止められません。
問題になるのは、
- それを一人で抱え込み
- 気を遣い続け
- 判断を先送りすること
です。
院長先生が消耗しきってしまえば、
医院全体の空気も変わってしまいます。
正解は一つではありません。
ただ、院長先生が無理をしすぎない形は、必ずあります。