従来、歯科医院の人員構成は歯科医師・歯科衛生士・歯科助手が中心でした。しかし、超高齢社会の進展とともに、歯科の現場でも“食支援”の重要性が高まり、管理栄養士の採用を検討する医院が増えています。
実際、歯科業界でも「管理栄養士」の募集をかける医院が少しずつ増えており、今後さらにそのニーズは高まると考えられます。
管理栄養士が歯科医院で果たす2つの役割
歯科医院における管理栄養士の主な業務は、大きく分けて以下の2つに分類されます。
- 栄養指導・食支援などの「栄養士業務」
- 診療サポートや事務補助などの「歯科助手的な業務」
勤務体制や患者層に応じて、両方を兼務してもらうケースも多く見られます。
管理栄養士がもたらす臨床的・経営的メリット
◎ 口腔機能低下へのアプローチ
咀嚼・嚥下機能が低下した患者さまに対して、口腔内の治療だけでなく、食事内容や栄養摂取の観点からのサポートを加えることで、全身の健康維持にも貢献できます。
◎ 多職種連携による差別化
“歯科と栄養の連携”を実現することで、地域の高齢者医療や介護分野との連携強化にもつながり、医院の専門性や社会的価値の向上にも寄与します。
◎ 採用の幅が広がる
「管理栄養士兼歯科助手」として募集を行うことで、意欲の高い人材にアプローチしやすくなり、採用の間口が広がるという利点もあります。
また、「管理栄養士在籍」という事実は、患者さまに対しても安心感を与えやすく、医院の信頼性アップにもつながります。
今後の歯科医院に求められる“食支援の視点”
食べる力が弱ってくると、自然と口腔機能も低下し、それがさらなる健康リスクにつながる──これは高齢患者を多く診る現場では実感されている方も多いと思います。こうした「口から始まる全身の健康支援」に対応できる体制づくりは、これからの歯科医院にとって重要なテーマになっていくでしょう。
そのための一手として、栄養の専門家である管理栄養士の採用は、非常に有効な選択肢と言えます。
「食べること」も「口の健康」も診られる歯科医院へ──
そうした未来志向の医院づくりに、管理栄養士という存在が新しい可能性をもたらしてくれるはずです。