近年、働き方改革の流れを受け、歯科医院でも「週休3日制」を取り入れる動きが増えています。
魅力的な条件に映りますが、実際の運用を誤るとスタッフとのトラブルや早期離職につながりかねません。
ここでは、歯科医院側が「週休3日制」を導入するときに押さえておくべきポイントをまとめます。
1.勤務時間・拘束時間のバランスを考える
週休3日制では勤務日数が減る代わりに、1日の労働時間が長くなるケースがほとんどです。
例えば、週4日勤務であれば、1日10時間以上の勤務になることも珍しくありません。
さらに歯科医院では昼休み(休診時間)を挟むため、実質的な拘束時間はさらに長くなりがちです。
スタッフにとって「週3日の休み」よりも「1日の負担の重さ」がストレスになる可能性があるため、現実的な勤務シフトを設計することが重要です。
2.給与・待遇面の説明を明確にする
勤務時間が短縮される場合、給与が減額される医院もあります。
しかし「週休3日制」の良い面ばかりを強調し、給与減額について明確な説明を怠ると、内定辞退や早期退職の原因になります。
基本給、手当、昇給・賞与の仕組みなどを事前に整理し、必ず面接時に具体的な条件を伝えましょう。
3.社会保険の加入条件を正確に把握する
勤務日数や時間が減ることで、スタッフが社会保険に加入できなくなる場合もあります。
原則として、週20時間以上かつ一定の収入基準(月8.8万円以上など)を満たす場合、社会保険の加入義務が発生します。
加入できない場合にはその理由をきちんと説明しないと、「話が違う」とトラブルになるリスクがあります。
採用前に、社会保険・雇用保険の加入条件をしっかり確認しておきましょう。
4.実際の働き方をイメージできるようにする
「週休3日」というワードだけが独り歩きしないよう、
- 1日のスケジュール例
- 休憩時間の取り方
- 実際の勤務シフト例
などを示し、リアルな働き方をイメージできるように工夫しましょう。
求職者に具体的なイメージを持ってもらうことで、入社後のギャップを減らし、満足度の高い採用につながります。