― 改正職業安定法から1年、対応はできていますか? ―
歯科医院の採用活動では、求人票や募集要項の内容がとても重要です。
求人票の書き方は、応募数だけでなく 「この医院で働きたい」と思ってもらえるかどうかの印象 にも関わります。
2024年4月1日に「職業安定法施行規則」が改正され、求人募集の段階から明示しなければならない労働条件が追加されました。
施行から1年が経過しましたが、しっかり対応できていますでしょうか?
改正で追加された「明示すべき事項」
求人募集の段階で、以下の3点を明示することが必要になっています。
- 従事すべき業務の「変更の範囲」
- 就業場所の「変更の範囲」
- 有期契約を更新する場合の基準(更新の有無や上限回数など)
「変更の範囲」とは?
「変更の範囲」とは、雇用契約期間中に起こり得る仕事内容や勤務地の変更の可能性を、最初から明示しておきましょうという決まり です。
具体例:業務内容の場合
- 雇入れ直後:歯科衛生士業務(スケーリング、TBIなど)
- 変更の範囲:医院の状況によっては受付業務や滅菌作業をお願いする可能性がある
具体例:就業場所の場合
- 雇入れ直後:本院(〇〇市)
- 変更の範囲:市内の分院勤務をお願いする場合がある
👉 事前に示しておくことで、「聞いていなかった」というトラブルを防ぎ、医院側も安心して運営できます。
実務で注意すべきポイント
- 求人票や医院ホームページに必ず明示する
- 抽象的な表現(「諸般の事情により判断」など)は避け、具体的に記載する
- 求人広告にすべて書けない場合は「詳細は面談時に説明」としてもよいが、応募者と最初に接触する時点までにすべて明示する必要がある
- 面接の過程で条件が変更となった場合は、速やかに伝えることが必要
まとめ
施行から1年が経過しましたが、今一度、求人票や募集要項の記載を見直してみましょう。
- 「業務内容の変更範囲を記載しているか?」
- 「勤務地の変更範囲をきちんと伝えているか?」
- 「契約更新の基準を具体的に示しているか?」
これらを整えておくことは、トラブルの防止だけでなく、応募者に誠実な姿勢を示すことにもつながります。