歯科医院のホームページやSNSで「スタッフの写真を使いたい」と考えた時に、スタッフの方から掲載を断られるケースは少なくありません。

理由は様々です。

  • 「防犯上、困ります」
  • 「前の職場の人に見られるのはちょっと…」
  • 「顔と名前がネット上に出ることで、身元が特定されるのが怖い」
  • 「ストーカーやトラブルに巻き込まれた経験がある/周囲にそういう人がいた」
  • 「転職したことを知られたくない」
  • 「写真に写るのが恥ずかしい、自信がない」

どれももっともな理由で、無理にお願いできるものではありません。特にネット上では一度掲載すると拡散するリスクもあり、慎重な判断が求められます。

ただ一方で、歯科医院を初めて訪れる患者さんの多くは、院内の雰囲気や先生のお人柄がわからないことで、強い不安を感じています。
その不安を和らげ、受診のきっかけや後押しになるのが、院長先生やスタッフの方々の笑顔の写真です。
実際に、「スタッフ紹介ページにある笑顔の写真を見て安心した」「この医院なら大丈夫そうと思って予約した」とおっしゃる患者さんは少なくありません。

また、写真が与えるのは患者さんへの安心感だけではありません。医院で働くスタッフの様子をSNSで発信することで、求職者の目に留まり、「この医院、雰囲気が良さそう」と興味を持ってもらえることもあります。


「スタッフ写真を載せられない」時の工夫

実際に、ある顧問先の小規模歯科医院でホームページを見直す際、「スタッフ紹介ページを作りたいが、スタッフが写真を載せたがらない」とご相談を受けました。

スタッフは4名。
「もう年齢もいっているので、遠慮します」
「顔写真はちょっと…写真写りが悪くて」
と、皆さんが協力を控えたいというお気持ちでした。

そこで院長先生と相談し、スタッフ紹介ページは作らず、代わりにホームページ内に自然なスナップ写真を掲載する形にしました。
また、SNSでは診療風景やちょっとした日常の一コマなど、スタッフの方の笑顔や働く姿が自然に写る写真を活用しました。
名前や顔が特定されにくい配慮をしつつ、医院の雰囲気が伝わるような写真を心がけたことで、患者さんに安心感を与えることができ、結果的に好印象に繋がっています。


正解は一つじゃない。大切なのは「見せ方」と「気持ちへの配慮」

スタッフ全員の顔写真を揃えて紹介することがベストなケースもあれば、顔が映らないように配慮したり、手元だけのスナップで十分に医院の雰囲気が伝わるケースもあります。歯科医院によっては集合写真だけを掲載して個人の紹介は載せないという方法もあります。
「絶対こうすべき!」という決まりはなく、医院の方針やスタッフの気持ちを大切にしながら、安心感と信頼を伝える“見せ方”を工夫していくことが大切です。

患者さんにとって親しみやすく、働くスタッフにとっても負担にならない発信を。
医院の魅力を伝えるための一歩として、スタッフ写真の扱い方を見直してみませんか?