〜スタッフの働き方に“柔軟さ”を〜

近年、歯科医院の求人票で「副業OK」の文言を見かけることが増えてきました。
かつては「副業=本業への支障」として敬遠されがちだったこのテーマも、時代と共に捉え方が変化しつつあります。

実際、私がサポートしている顧問先の歯科医院でも、副業を認める仕組みを導入しています。


■ 副業OKでも、しっかりルール化

その医院では、

  • 副業を希望するスタッフは 申請書を提出
  • 申請書には「どんな副業をするのか」「勤務時間や内容」などを明記
  • 院長先生が内容を確認し、 許可が下りたら副業が可能

という、シンプルながらも管理の行き届いた体制をとっています。

実際にスタッフがしている副業は、

  • ウーバーイーツなどの配達業務
  • 土日のみの軽作業アルバイト
  • 夜間の短時間ワーク など、
    本業に支障のない範囲で“ちょっとした収入”を得られるものが中心です。

■ 副業が「離職予防」につながるケースも

あるスタッフさんは、
「引っ越しなどで生活費が上がってしまったけれど、副業を認めてもらえて安心して働き続けられるようになった」
と話してくれました。

副業ができる=本業の勤務条件が悪いという意味では決してありません。
「柔軟な働き方ができる」という安心感が、結果的に 定着率の向上 につながっているケースも見られます。


■ 求人票に「副業OK」を明記するメリット

副業OKの姿勢を取っていても、それを 求人票に記載していない医院もまだ多い のが現状です。

ところが、実際に求人票に「副業OK」と書かれている医院の方が、求人閲覧数が多いというデータもあります。
求職者は、待遇面だけでなく「自分らしい働き方ができるか」を重視しており、
その姿勢が求人票に表れているかどうかを敏感にチェックしているのです。


■ 最後に:副業OKは“信頼関係の証”

副業を認めるということは、スタッフを「信用している」というメッセージでもあります。
医院としては「本業に支障がないこと」を条件にきちんとルール化することが大切ですが、
一方で、スタッフもまた「信頼に応える働き方」を選び取ることで、
お互いに良い関係性が築かれていきます。

副業OKかどうか。
それは、これからの時代の歯科医院の「働き方改革」の一つの形なのかもしれません。