はじめに|歯科医院向け求人会社が多すぎる時代

ここ数年、歯科医院向けの求人会社が急激に増え、「こんなにたくさんあっただろうか?」と驚かれる院長先生も多いのではないでしょうか。

求人サイト、スカウト型、エージェント型……選択肢が増えた一方で、どれを選べばよいのか分からないという声もよく耳にします。

特にこの時期は、歯科医院の採用における繁忙期でもあります。ボーナスを受け取った在職中のスタッフが転職活動を本格化させ、歯科衛生士専門学校に在学中の学生も就職先探しを始めるため、求職者の動きが一気に活発になります。

求職者側の動きは二極化している

現在の求職者の動き方は、大きく分けると二つの傾向があります。

  • 自分では動けない、医院数が多すぎて判断できないため、エージェントに任せたい人
  • 自分で情報収集をしながら、求人サイトやスカウトを活用して動く人

学生さんや中途転職者の中には、歯科衛生士・歯科助手・歯科医院受付などの専門職向け求人会社に登録し、スカウトを受けながら比較検討するというスタイルを取る方も増えています。

一方で、「自分に合う歯科医院が分からない」「失敗したくない」という理由から、最初からエージェントに相談する求職者も少なくありません。

紹介会社(エージェント)を利用するという方法

私自身、歯科医院に勤務していた際に、エージェントが求職者と医院を仲介する紹介会社を利用した経験があります。

紹介会社と契約すると、エージェントから

「このような方がいらっしゃいますが、ご紹介はいかがでしょうか?」

といった形で連絡が入ります。

その際に、

  • 医院が求めているスタッフ像
  • 大切にしている考え方や雰囲気
  • チームとして重視しているポイント

を事前にしっかり伝えておくことで、条件に合う、もしくは近い人材を選んで紹介してもらえるのが大きな特徴です。

面接では聞けない部分を事前に確認できる強み

エージェントが間に入ることで、面接ではなかなか聞けないような深い部分を事前に確認できる点も、紹介会社のメリットです。

  • これまでの職場で何に悩んでいたのか
  • 転職理由の背景
  • 働く上で譲れないポイント

こうした情報を事前に共有できるため、人物像のズレが起こりにくく、面接もスムーズに進みやすくなります。

不採用・辞退の理由が「次」に活きる

また、採用・不採用の結果についても、医院側からエージェントへ正直に伝えやすい点も見逃せません。

応募者が辞退した場合でも、その理由をフィードバックしてもらえることが多く、

  • 求人条件の見直し
  • 伝え方の改善
  • 医院の魅力の整理

といった、今後の採用活動に活かせるヒントを得ることができます。

費用は高め。でも「困ったとき」の選択肢として

紹介会社は、一般的な採用サイトと比べると料金設定が高めなケースがほとんどです。

  • なかなか応募が来ない
  • 採用しても定着しない
  • 本当に困っている

そんなタイミングでは、思い切って利用してみる価値のある選択肢だと感じています。

実際に、歯科衛生士の採用で苦戦していた時期に紹介会社と契約し、数名の歯科衛生士を紹介してもらったことがあります。その中から、結果的に良いご縁につながる採用ができました。

おわりに|採用手法は「使い分け」が大切

採用サイトはもちろん有効な手段です。一方で、「紹介会社ってどうなの?」と迷われている院長先生も多いのではないでしょうか。

採用手法に正解は一つではありません。医院の状況やタイミングに合わせて使い分けることが、これからの採用ではより重要になってきます。

今回のコラムが、歯科医院の採用活動を考える上での一つの参考になれば幸いです。


ディー・プラス・エス株式会社では、歯科医院の採用・求人に関する課題に寄り添い、医院ごとの状況に合わせたサポートを行っています。採用でお悩みの際は、お気軽にご相談ください。