〜2024年診療報酬改定で変わった掲示義務の実際と、院長先生への実務アドバイス〜
2024年6月に施行された診療報酬改定により、「保険医療機関及び保険医療担当規則等」の一部が改正されました。これにより、これまで院内掲示が義務づけられていた各種の施設基準や加算に関する情報について、原則としてホームページへの掲載が義務化されています。
これは、患者さまが医療機関を選ぶ際に、診療方針や加算の有無、提供するサービスの内容を事前に把握できるようにするための措置であり、医療の透明性向上がその目的です。
経過措置は終了、現在はWeb掲載が必須に
2025年5月31日までは、「院内掲示」または「ホームページ掲載」のどちらでも対応可能な経過措置期間とされていましたが、2025年6月1日以降は、ホームページ掲載が必須となっています。
これは、紙ベースでの情報提供では限界がある中で、患者さまにとってアクセスしやすく、タイムリーな情報提供を促進するための改正です。
歯科医院のホームページに掲載すべき主な情報（例）
以下のような情報は、特に注意して掲載しておくことが求められます：
- 診療時間・休診日
- 診療科目・提供するサービスの内容
- 各種加算（明細書発行体制加算、感染防止対策加算、歯科外来診療環境体制加算など）
- 施設基準の届出状況
- 医療安全対策や感染対策に関する取り組み
- 在宅医療対応の有無 など
これらは、あくまで一例であり、実際には各医院の診療内容や届出状況に応じて取捨選択・修正する必要があります。
院長先生へのアドバイス
特に加算に関わる項目は、患者さまへの説明責任を果たす意味でも、わかりやすく、誤解を招かない表現で掲載することが重要です。形式的な羅列ではなく、「なぜこの体制を整えているのか」という背景も添えると、患者さまの理解や安心感にもつながります。
また、ホームページの掲載内容が古くなっていないかを定期的に確認・更新する体制を整えておくことも大切です。
ご活用いただける例について
弊社では、歯科医院さまの実務に役立てていただけるよう、ホームページ掲載用の例をご紹介しています。ただし、すべての医院の状況に完全に適合するものではありません。掲載にあたっては、貴院の診療体制や届出内容に応じて内容を適切に調整していただくようお願いいたします。
※掲載例をそのままご利用されたことにより生じた不利益・トラブル等については、ディー・プラス・エス株式会社では責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
透明性のある情報発信は、信頼される歯科医院づくりの第一歩です。
ホームページ掲載を、単なる義務としてではなく、「患者さんとの信頼関係を築くツール」として前向きにご活用ください。