歯科医院を訪問していると、院内での「スリッパ問題」を耳にします。
患者さんの中には「スリッパは履きたくない」とはっきりおっしゃる方も多く、近年では土足のまま診療を受けられる歯科医院も増えてきました。コロナ禍をきっかけに土足へ切り替えた医院もあり、病院全体の流れとしても広がりを感じます。

実際に、私自身が歯科医院を訪問した際にも、玄関に「上がり」があり靴を脱ぐスペースが設けられているにもかかわらず、スリッパはなく、スタッフの方から「そのまま土足で大丈夫です」と案内されるケースもあります。

一方で、スリッパ対応を続ける医院もまだまだ多く存在します。それは、それぞれにメリット・デメリットがあるからです。


土足のまま診療を受ける場合

メリット

  • スリッパの脱ぎ履きが不要でスムーズ
  • 高齢者や足腰の弱い方、車いす利用者にとってバリアフリーで安心
  • 履き慣れた靴のまま診療を受けられるのでリラックスできる

デメリット

  • 靴の汚れをそのまま院内に持ち込む可能性がある
  • 特に雨の日は泥や水分が気になる

スリッパに履き替える場合

メリット

  • 院内の清潔を保ちやすい
  • 衛生面を重視する患者にとって安心感がある
  • 医院によってはスリッパ殺菌装置を設置していたり、抗菌加工のスリッパを導入していることもあり、清潔面に配慮されている

デメリット

  • 脱ぎ履きに手間がかかる
  • 履き慣れないスリッパに抵抗を感じる患者もいる
  • 靴を脱いでスリッパに履き替える動作が、高齢者や小さな子ども連れの方にとっては負担になることがある

「正解」は医院によって異なる

スリッパの有無は、歯科医院の立地や患者層によっても、その医院に合った方法が変わってきます。
都市部のビル診療所では土足対応が増える一方、郊外の戸建て歯科医院ではスリッパ対応を継続するケースも見られます。

どちらのスタイルも一長一短があり、「絶対の正解」はありません。
患者さんにとっては事前にホームページを確認したり、初診時に医院へ問い合わせてみると安心です。


まとめ

「歯科医院のスリッパ問題」は、清潔さと快適さのバランスをどう取るかというテーマです。
患者さんの声や医院の方針をふまえ、それぞれの医院に合った対応を選ぶことが大切だと感じます。