大型の歯科医院では診療放射線技師を採用しているケースを見かけます。
求人情報や歯科医院のホームページなどでも募集を見かけますが、実際に採用まで至るのは簡単ではありません。

診療放射線技師の主な業務

歯科医院に勤務する診療放射線技師は、以下のような業務を担うことができます。

  • 歯科用レントゲンの撮影
  • 画像読影、解析
  • 診断や治療計画に関する歯科医師へのサポート
  • インプラント手術や矯正治療の設計サポート

また、口腔内写真の撮影なども含め、診療の質を大きく支える役割を担うことが可能です。

採用の難しさ

ただし、歯科医院で働く放射線技師は歯科助手業務を兼ねる場合が多いのが現実です。
そのため、歯科助手経験がない方にとってはハードルが高く、求人を出してもなかなか応募が集まりません。

実際、私が勤務していた歯科医院でも放射線技師の求人を出しましたが、1年間で応募はゼロ
求人サイト、医院ホームページ、ハローワークなど複数の媒体を利用しましたが結果は変わりませんでした。

兼務業務とのバランス

放射線撮影や口腔内写真の撮影だけでは手が空いてしまう場面が多く、やはり他の業務との兼ね合いが必要です。
実際に他の医院では、クリーンスタッフ業務を兼ねる形で求人を出しているケースもあります。

病院勤務の多い職種であるため、歯科診療所での採用は難しいのは確かです。
しかし、工夫次第では可能性を広げられるのではないでしょうか。

働き方の工夫で母数を増やす

正社員だけでなく、パート採用という選択肢を設けることで応募者の母数を増やすことができます。

特に、子育てなどで現場から離れていた方にとっては、

  • 病院勤務よりも融通が利く
  • 自分の資格を活かせる
    という点で、歯科医院勤務は魅力的な選択肢となり得ます。

安心して働ける仕組みづくり

ただし、歯科助手や受付、クリーンスタッフの業務も兼ねる場合は、事前の説明が非常に重要です。

新しい業務に挑戦する人にとっては不安が大きいため、

  • スキルアップ表を用意する
  • 習得ステップを明示する
  • 「できるようになる」安心を提供する

といった工夫が、応募の後押しになります。

放射線技師がいることの安心感

歯科医院に診療放射線技師がいるということは、患者さんにとっても安心材料になります。
正確な撮影・解析によって診断の質が向上し、インプラントや矯正治療にも信頼感を与えることができるからです。

まとめ

診療放射線技師の採用は難しい面がある一方で、働き方や業務設計を工夫すれば、歯科医院にとって大きな強みとなります。

  • パート採用の活用
  • 兼務業務のバランス設計
  • 安心して挑戦できる仕組みづくり

こうした工夫が、放射線技師採用のカギになるかと思います。