小規模歯科医院が人材を確保するために必要な視点とは
歯科助手の求人市場は大きく変化しています。
求人件数そのものは増えているにもかかわらず、多くの院長先生が「応募が来ない」「採用しても続かない」と感じています。とくに院長1名・スタッフ数名で運営する小規模歯科医院では、この傾向が顕著です。
ディー・プラス・エス株式会社では、これまで医院の採用課題、院内の雰囲気、スタッフの働き方に触れてきました。その経験を踏まえ、今回は“最近の歯科助手求人の傾向”と、小規模医院がこれから取り組むべき採用のポイントを整理します。
1. 求人数は増加しているのに、応募は減っているという矛盾
医療・介護領域全体で求人件数は増加傾向にあり、歯科助手の求人もその流れに含まれています。しかし、現場感覚として“採用が難しい”という声が増えているのが現状です。
これにはいくつかの理由があります。
- 他業種の働きやすさ向上(事務、サービス業など)
- 労働条件への意識の高まり
- 仕事内容の複雑化(受付・事務・アポイント管理を兼務するケースが増加)
求人の“量”が増えても、“人材の母数”が増えているわけではありません。
つまり、 掲載すれば応募が来る時代ではない ということです。
2. 求職者が求める条件は「安心感」と「働きやすさ」
最近の歯科助手求人を分析すると、「働きやすさ」を重視する傾向が明確です。
● 未経験歓迎 × 柔軟な働き方が主流に
- 週休3日制
- 土日どちらか休み
- ネイルOK・髪色自由
- 残業ほぼなし
こうした“自分の生活と両立できるか”が、これまで以上に重要視されています。
家庭を持つスタッフや若年層にとって、この視点は特に大切です。
● マルチロール化(複合職)への対応
診療補助だけでなく、受付・事務まで任されるケースが増えていて、医院の説明不足が「思っていた仕事と違う」という早期離職につながることがあります。
仕事内容の“見える化”は採用の必須要素になりつつあります。
3. 年齢層の広がり ― シニアの採用も増加
歯科助手といえば若い女性のイメージが強いですが、実際の求人市場では 60代の採用事例 も増えています。
人手不足の中で、“子育てが落ち着いた方”“長く働きたいシニア層”が新しい労働力として注目されています。
大切なのは、年齢ではなく 医院に合うかどうか。
患者さんとのコミュニケーション力や丁寧さを重視する医院では、シニアの方がマッチする場合もあります。
4. 小規模医院こそ「伝え方」が採用力を変える
院長先生が診療に入りながら医院全体を支える小規模医院では、スタッフ一人ひとりの役割が大きい分、働きやすさや安心感が求職者に伝わりにくい傾向があります。
しかし、小規模だからこそ持っている魅力があります。
- スタッフ同士の距離が近い
- 院長の想いが伝わりやすい
- 教育のフォローが丁寧にできる
- 急に業務が増えるストレスが少ない
現場を訪問して実感するのは、受付・スタッフの雰囲気だけで医院全体の印象が大きく変わるということです。
こうした“人の温度感”は、大きな医院には出せない強みです。
求職者は給与や休みだけで医院を選んでいません。
どんな人が働いていて、どんな空気の医院なのか
これを伝えられるかどうかが、応募率を大きく左右するようです。