「一度キャンセルすると、もう行きづらくなるんです…」
これは、治療を中断してしまった患者さまがこぼした言葉です。
歯科医院としても「このまま来なくなってしまうのでは」と不安になりますよね。
実際、一度のキャンセルや遅刻をきっかけに、そのまま治療を中断してしまうケースは少なくありません。そして治療の中断は、患者さまにとってもデメリットしかありません。
完治しないまま放置すれば、痛みが再発したり、症状が悪化して再治療が必要になることもあります。
しかし、キャンセル率・中断率が高いままでは、医院としての生産性も上がりません。予約が埋まっていたはずの時間にぽっかり穴が開いてしまえば、歯科医師の手は空いてしまいますし、院内のスケジュールも狂ってしまいます。
【キャンセルを軽く考える患者、困る医院】
特に問題なのが、「当日キャンセル」です。
たとえば、
患者さま:「きちんと電話で連絡したから大丈夫」
医院側:「連絡があっても、当日では枠を埋められず、無断キャンセルと変わらない」
このように、双方の認識にギャップがあります。
まずはその“ギャップ”を埋める努力が必要です。
新患で来院されたタイミングや、初診時の説明で「予約の重要性」や「治療中断のリスク」について丁寧に伝えましょう。
たとえば、次のようにお伝えすると伝わりやすくなります。
- 「予約は、患者さま一人ひとりの時間を確保して取っています」
- 「他の患者さまにも影響が出てしまうため、できる限り変更は早めにお願いします」
- 「治療は痛みが取れて終わりではなく、完了するまでは“治療中”です」
これだけでも、キャンセルや中断に対する意識は変わってきます。
【キャンセルの“ルール”を明確にする】
医院として「キャンセルの定義」や「ルール」をしっかり明示することも大切です。
- 予約の変更は3日前までに
- 15分以上の遅刻はキャンセル扱い
- 当日のキャンセルは、診療開始〇時間前までに連絡
といったルールを、受付や待合室、診察室などに掲示し、患者さまに周知しましょう。
曖昧なルールはトラブルのもとです。明確にすることで、スタッフも対応しやすくなりますし、患者さまも「何がNGなのか」を理解できます。
【来なくなった患者には理由がある】
一度来なくなってしまった患者さまには、必ず理由があります。
- 治療に満足していない
- 主訴が改善されたと思い込んでいる
- 説明がわかりづらかった
- なんとなく不安だった など…
患者さまが最後に話していた言葉や、会計時のやりとりなど、スタッフと情報を共有しましょう。ちょっとした違和感が、来院中断のサインであることもあります。
また、治療の経過や今後の説明が不十分であった場合、専門用語を使わず、患者さまの言葉で、納得がいくまで説明することも重要です。
説明に対しての質問をしっかり受け止め、丁寧に回答することで、患者さまとの信頼関係が深まります。
【まとめ】
キャンセルや治療中断を防ぐために、医院側ができることはたくさんあります。
- 患者さまとの認識のズレを埋める
- ルールを明示する
- 来院中断の理由を丁寧に探る
- わかりやすい説明を心がける
これらの積み重ねが、キャンセル率・中断率の改善に繋がり、患者さまとの関係性をより良くしていきます。
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