歯科医院の待合室モニターについて、先生方とお話ししていると、意見がきれいに分かれます。

テレビ番組を流している医院。
治療説明の動画やスライドを流している医院。
そもそも、今はモニター自体いらないのではないか、と感じている医院。

最近は、待合室でスマートフォンを見ている患者さんがほとんど、というケースも珍しくありません。
「モニターを置いても、見られていないのでは?」
そう感じる先生がいらっしゃるのも自然なことだと思います。


歯科医院の承継・代替わりでよく出る「待合室のテレビ問題」

歯科医院の承継やリニューアルの場面では、
「待合室のテレビをどうするか」という相談をよく耳にします。

テレビを撤去し、歯周病やホワイトニングなどの情報をモニターで流すことで、患者さんの意識は変わるのか。
この問いに対して、多くの先生の答えは意外と冷静です。

「テレビよりはスライドの方がまだ良いと思う」
「ただ、劇的な変化を期待するものではない」
「高額な制作をしなくても、自作で十分」

過度な期待をせず、現実を見据えた声が多い印象です。


待合室モニターだけで患者さんの意識は変わるのか

待合室のモニターを変えたからといって、
患者さんのメンテナンス意識が大きく変わる、ということはあまり期待しすぎない方が良いのかもしれません。

実際、スライドを見て質問してくる患者さんは、
「たまにいる」という程度、という話もよく聞きます。

ただ、それは「伝わっていない」という意味ではありません。
質問はしなくても、
「歯周病ってこういうものなんだ」
「定期的なメンテナンスには意味があるんだ」
そんな情報が、少しずつ頭に残っている可能性は十分にあります。


テレビか治療説明かではなく「歯科医院らしさ」が伝わるか

待合室モニターの話になると、
テレビ番組か、治療説明動画か、という二択になりがちです。

しかし実際には、どちらが正解という話ではありません。
大切なのは、その歯科医院が何を伝えたいか、がにじみ出ているかどうかです。

矯正のビフォーアフター
インプラント治療の流れ
歯周病の原因や治療
補綴物の種類
物販の紹介
院長からのメッセージ

内容は医院ごとにさまざまです。
立派に作り込まれた動画よりも、
その医院で普段使っている説明を、シンプルに見せているモニターの方が、印象に残ることもあります。


待合室でモニターを見ている患者さんは誰なのか

確かに、待合室でスマートフォンを見ている患者さんは多いです。
一方で、ご年配の方の中には、スマホを持っていない、あるいは操作が苦手な方もいらっしゃいます。

そうした方にとって、待合室のモニターは、
自然と目に入る、数少ない情報源でもあります。

また、ふと顔を上げた瞬間に、
「これ、ちょっと気になる」
と見入ってしまうこともあります。

モニターは、すべての患者さんに強く訴えかけるものではなく、
気づいた人に、そっと届く存在
そのくらいの役割で十分なのかもしれません。


歯科医院のモニターは高額な制作でなくてもいい

特に郊外型の歯科医院であれば、
モニター用のコンテンツに多額の費用をかける必要はないと思います。

PowerPointで作った簡単なスライドや、
院内で普段使っている説明資料を少し整えるだけでも十分です。

大切なのは、
「完璧な映像を流すこと」ではなく、
「この歯科医院は、こういう考え方をしている」という空気が、さりげなく伝わることです。


待合室マーケティングで本当に考えたいこと

テレビを撤去するか、モニターを設置するか。
その判断そのものよりも、

・待合室で患者さんに、どんな時間を過ごしてほしいか
・どんな歯科医院だと感じてもらいたいか

そこを一度立ち止まって考えることが、
結果的に、歯科医院のマーケティングにつながっていくのだと思います。

モニターは、あくまで脇役です。
けれど使い方次第で、医院の姿勢や考え方を、静かに伝えてくれる存在にもなります。

「待合室のテレビ、いらないかもしれない」
そう感じた時点で、すでにその歯科医院らしい一歩は始まっているのかもしれません。