スタッフ3〜7名の医院で起きている静かなリスク

歯科医院の現場では、院長先生が「見えていない課題」が数多くあります。
特に、スタッフ3〜7名ほどの“いわゆる小規模歯科医院”では、
規模が小さいからこそ起こりやすい問題が存在します。

今回は「なぜ小規模なのに組織づくりが必要なのか」を、現場の視点から解説します。


■ ① スタッフに“明確な動き方”がないと、離職が早くなる

小規模医院では、業務が交錯しやすく、
「誰が何を優先すべきか」が曖昧な状態になりがちです。

  • 指示がその日によって変わる
  • やるべきことが属人的
  • 新人が何を覚えるべきか明確ではない

このような環境では、
スタッフは「自分の動きに自信が持てない」状態になってしまいます。

この不安が積み重なると、
“突然の退職”につながりやすくなるのです。


■ ② 院長先生は忙しすぎて、スタッフの変化に気づけない

多くの小規模医院で院長先生は、
診療・経営・会計・採用・ミーティングなど、
業務をすべて一人で抱えています。

そのため、

  • スタッフの表情の変化
  • 院内の小さなズレ
  • 新人のつまずき

に気づく余裕がありません。

決して“院長が悪い”わけではなく、
物理的に手が回らない仕組みになっていることが問題なのです。


■ ③ 自然消滅していく“アットホーム経営”の落とし穴

小規模医院で多いのが、
「仲良し」を優先した運営です。

もちろん良い面もありますが、
以下のような問題が起きやすくなります。

  • 有給取得のルールが曖昧
  • 注意や指導ができない
  • 慣れたスタッフだけで回る構造になる
  • 新人が入りづらく辞めやすい

結果的に、医院が“内輪のルール”で固まってしまい、
組織が外に開けなくなってしまいます。


■ ④ 患者の情報行動が変わり、マーケティングも組織の一部になった

4〜5年前とは違い、
歯科の患者さんは Googleマップ・口コミ・SNS を見て医院を選びます。

しかし、小規模医院ほど

  • 電柱広告
  • チラシ
  • ひと昔前の宣伝方法

のまま止まってしまっていることが多いのが現状です。

これは、院長先生が忙しすぎることと、
“情報収集の役割を担うスタッフがいない”ことが原因です。


■ ⑤ だから今、小規模医院こそ“組織づくり”が必要

組織づくりとは、

  • スタッフの役割を明確にする
  • 仕組みを作り離職を減らす
  • コミュニケーションを整える
  • マーケティング情報を把握する
  • 院長先生が診療に集中できる環境を整える

ことです。

人数が少ない医院ほど、
仕組みが整うと一気に医院全体が良くなります。

逆に、仕組みがないままでは
“良いスタッフほど辞めていく医院”になってしまいます。


■ 〈現場で見てきたからこそ感じること〉

私はこれまで、小規模医院の現場で
院長先生・スタッフの両方から直接お話を聞いてきました。

その中で感じるのは、

「院長先生は、誰よりも医院のことを想っているのに、
それを支える仕組みがないだけ」ということ。

小規模だからこそ、
組織の基盤を整えれば、医院の未来は大きく変わります。

これからも、現場の気づきや改善のポイントを、
コラムを通してお伝えしていきたいと思います。