あきらめかけた院長先生の言葉から考える、歯科医院の求人の現実

「正直ね、もう諦めてるんだよ」

そう話してくれたのは、郊外にある歯科医院の院長先生でした。 求人の話題を振ると、少し苦笑いをしながら、こんな言葉が続きます。

「こんな田舎だし、医院も古い。 今はきれいで新しい歯医者がいくらでもあるでしょ? だったら、そっちに応募するよね」

この言葉に、思わずうなずいてしまう院長先生も多いのではないでしょうか。

■ WEB上にもあふれている、同じ悩み

実際、WEBで「歯科医院 求人 来ない」「歯科衛生士 応募がない」と検索すると、 同じような悩みがいくつも見つかります。

地方だと求人を出しても反応がない

昔ながらの医院は不利

新規開業・リニューアルした医院に人が流れる

求人広告費だけがかさむ

求人会社のコラムやセミナーでも、 「応募が来ない時代」「待っているだけでは採用できない」といった言葉が繰り返し使われています。

■ 「田舎」「古い医院」=不利、は本当か?

確かに、立地や建物の新しさは、第一印象として影響します。 求人会社のデータでも、

写真が少ない

院内の雰囲気が伝わらない

スタッフの声が見えない

こうした求人は、開かれにくい傾向があると言われています。

一方で、同じ求人情報の中で、こんな声もあります。

院長先生の人柄が伝わってきた

教育体制がしっかりしていそう

患者さんとの距離が近そう

落ち着いて長く働けそう

実はここに、「田舎」「古い医院」だからこその強みが隠れていることも少なくありません。

■ 問題は「場所」よりも「伝わっていないこと」

多くの院長先生が 「どうせ来ないから」 「出しても無駄だから」 と求人そのものを諦めてしまっています。

でも実際には、

どんな患者さんが多いのか

どんな診療を大切にしているのか

スタッフとの関係性

院長先生自身の考え方

こうした情報が、WEB上でほとんど伝わっていないケースがとても多いのです。

求人会社も最近は、 「条件よりも”医院の考え方”を見て応募する人が増えている」 と指摘しています。

■ 「来ない理由」は、本当に立地だけでしょうか

「田舎だから」 「古いから」

そう言いたくなる気持ちは、痛いほど分かります。 でも一度、立ち止まって考えてみる価値はあります。

今の求人内容は、医院の魅力をきちんと伝えられているか

院長先生の想いは、どこかに表現されているか

働くイメージが、応募者に浮かぶ内容になっているか

求人は「出すこと」ではなく、 「伝えること」なのかもしれません。

■ あきらめる前に、できることはまだある

求人市場が厳しいのは事実です。 ですが、同じ条件の中でも、少しずつ人が集まっている医院があるのもまた事実です。

「うちは無理だ」と思っている院長先生ほど、 実は大切な魅力を言葉にしていないだけ、ということも少なくありません。

このコラムが、 「あきらめる前に、もう一度考えてみよう」 そう思うきっかけになれば幸いです。

■ 地方・郊外の歯科医院だからこそできる、WEB求人施策

では実際に、田舎の歯科医院が応募を増やすために、WEB上でできることは何でしょうか。 いくつか具体的な施策をご紹介します。

1. 医院の「1日の流れ」を動画や写真で見せる

応募者が一番知りたいのは、「ここで働いたらどんな毎日になるのか」ということです。 朝の開院準備、診療中の様子、休憩時間の雰囲気、終業後の片付けまで。 スマートフォンで撮影した短い動画でも十分です。 InstagramやYouTubeに投稿し、求人ページにリンクを貼るだけでも印象は大きく変わります。

2. スタッフインタビューを掲載する

「どんな人が働いているのか」は、応募の大きな決め手になります。 在籍しているスタッフに、

なぜこの医院を選んだのか

働いてみてどうだったか

院長先生はどんな人か

こうした質問に答えてもらい、写真付きでホームページや求人サイトに掲載してみてください。 文章は箇条書きでも、短い一言でも構いません。リアルな声が伝わることが大切です。

3. 「地域密着」を逆手に取った発信をする

都市部にはない、地方ならではの魅力があります。

通勤ラッシュがない

患者さんとじっくり向き合える

地域に根ざした長いお付き合いができる

自然が豊かで、仕事終わりにリフレッシュできる

こうした「暮らしやすさ」や「働きやすさ」を、写真と一緒に伝えることで、 「落ち着いた環境で働きたい」と考えている層に届きやすくなります。

4. Googleビジネスプロフィールを活用する

意外と見落とされがちですが、Googleマップ上に表示される「Googleビジネスプロフィール」には、 写真・営業時間・口コミだけでなく、求人情報も掲載できます。 地域名で検索した人の目に留まりやすく、無料で使えるツールです。 院内の雰囲気が伝わる写真を数枚アップするだけでも、応募のきっかけになることがあります。

5. 地元の学校や養成機関との連携を発信する

地方では、地元の歯科衛生士専門学校や短大との関係が、採用に直結することもあります。 見学受け入れや実習協力をしている場合は、その様子をSNSやホームページで発信してみてください。 「地元に残りたい」と考えている学生にとって、安心材料になります。

6. 「ていねいさ」を言葉にする

田舎の医院には、都市部にはない”ていねいさ”があります。

ひとりひとりに時間をかけられる

急かされない診療ができる

患者さんの顔と名前を覚えられる

こうした日常を、そのまま言葉にしてみてください。 「忙しすぎる職場は避けたい」と思っている応募者には、大きな魅力として映ります。

7. 条件面の”見える化”も忘れずに

給与・勤務時間・休日・福利厚生など、基本的な情報が曖昧だと、それだけで応募をためらわれてしまいます。 特に地方では、

車通勤OK(駐車場完備)

残業ほぼなし

週休2日制・土曜午前のみ

育児中のスタッフ在籍中

こうした情報が、応募の後押しになります。 正直に、具体的に書くことが信頼につながります。

■ 小さな一歩が、大きな変化を生むこともある

こうした施策は、どれも大きな予算や専門知識がなくても始められるものばかりです。 すぐに効果が出るとは限りませんが、「何も発信していない状態」と「少しでも伝えている状態」では、 応募者の印象はまったく違います。

大切なのは、「どうせ無理」とあきらめる前に、 今できることを、ひとつずつ試してみることではないでしょうか。

ディープラスエス株式会社では、歯科医院の採用支援を通じて、 こうした「伝え方」のサポートもさせていただいています。

もし、「何から始めればいいか分からない」と感じたときは、 お気軽にご相談ください。一緒に、医院の魅力を見つけて、届けていきましょう。